相場の三歩先を行く男、この私、GE坊やは、ゼネラルエレクトリック(GE)を保有し、爆損に爆損を重ねてきた。
私の爆損は、これから諸君が歩む道かもしれない。
クソ化した株式の保有に固執し、損切りをせず、あまつさえナンピンまでした私の所業を諸君の脳に刻み込み、以後の教訓としていただきたい。
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あの男がやってくる…。
ミスター・マーケット、超極太ディルドを手に、ハード・ボンデージに身を包んだ、ガチムチのおやじさんだ。
相場の下降トレンドに敬意を払わず、調子をこいてGEの買い増しをしたGE坊やに、マーケットは即座に反応、徹底的なお仕置きが開始されることになった。
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泣き叫ぶGE坊やの髪を掴んで、クソの海に投げ落とし、強制的に四つん這いに固定する。
ケツにぶち込まれるのは、超極太のディルドだ。
遂にこの日が来てしまった…
GE坊やの頬に、涙が流れる。
ケツに強烈な一撃を食らった瞬間、私の脳裏には、初めて証券口座にカネを入金した、あの日のことが思い出された。
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震える手でPCを操作し、こんな事をしていいのだろうかと、何度も自問する。
窓の外には桜が咲いていて、その花びらが吹雪のように舞っていた。
小鳥が鳴いているのが聞こえる。
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ミロが出来たわよというママの声でキッチンに向かうが、自分が何をやろうとしているかなど、話すことはできなかった。
ああ、ちょっとドイツ語をね…、そんなことを言って誤魔化したかもしれない。
いまとなってみれば、何もかもが懐かしい。
当時は私もまだ若く、希望に燃えて株式市場にやってきたが、まさかこのようなことになるとは、想像すらできなかった。