ダウ、ナスダックがぶち上げ、円安祭りわっしょいわっしょい。そして新NISAの盛り上がり。世の中は、老いも若きも男も女も、投資というものに熱狂しているという。
でもよ、この狂乱の爆上げ相場のなかで死んでいるやつがいることにお気付きだろうか。
日本円と、日本の中小型株だ。
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そしてGE坊やはいつものように、世間のお楽しみの蚊帳の外にいる。
音もなくひとり森林をそぞろ歩き。見切りの食パン、鯖缶、そしてシニガンスープの素を湯に溶かして夕餉となし、命を繋ぐ日々である。
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いまの時期は仕方ありません…。
そうつぶやいて天を仰ぎ、なぜ神は我を見捨てたもうたのかと虚空に向かって激しく詰問する。だが、そこに広がっているのは神も仏もない世界。
街行けば新NISA、テレビをつければ新NISA、口を開けば新NISA。
新NISA!新NISA!新NISA!
…もうやめてくれ頭がおかしくなる。
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花の命は短い。
ほんの少しだけ日本の小型株がいい感じの時もあったが、すぐにいつもの面子、すなわち、米国インデックス、メガテック、半導体、仮想通貨に圧倒された。
そして、今回の決算シーズンでは、多くのGE坊や保有株が阿鼻叫喚の暴落を食らったのである。
金属は折れ、化学は灼け、機械は壊れ、建設は倒れた。
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いまの時期は仕方ありません。
そう言い続けて十有余年…。
その間に、人は確実に年を取る。
珍毛に白髪が生じたるのを見るにつけ、年年歳歳花相似歳歳年年人不同ということを感じて涙が流れる。