GE坊や。
趣味はキノコ狩りとされ、人付き合いを嫌い、ほとんど人前に姿を見せない人物であるが、学生時代までは笑顔の絶えなかった少年として周囲から記憶されている。
スラム暮らし。近隣住民の3割に墨が入っている。あとはベトナムとネパールから来た労働者。行き場のない老人。
自転車で疾走する金髪のヤンママは総じて咥え煙草。
ニョクマムとカレーの濃厚な匂いが漂う路地を抜け格安スーパーに入ると、ケツにマグロのパックを詰め込む万引き老人を目撃する。
「自分よりええもん食ってるやないか…」
吐き捨てるように呟きながら安売りのサツマイモや、半ば腐ったような見切りの品をカゴに放り込む。
急激な円安や物価高によって、GE坊やの生活もいよいよキツくなってきた。
ワンカップを啜りながら事故物件を検索する日々。
つまみは賞味期限の切れた缶詰、まがい物の揚げ出し豆腐。
株を売ればこの暮らし、少しは楽になるのではないか…。
そう思うこともあるが、日経平均が10万円に向かう壮大なバブル相場の入り口で現金化することはできない。
GE坊やの見立てによれば、年末のドルは160円。
更なる物価高の進行により、庶民生活はますます苦しくなるはずだ。
キリストの復活が成就したかのような日経平均の圧倒的な爆上げを目の当たりにして、その荘厳に涙し、言葉を失う。
いまはただ、このビッグウェーブに身を委ねるだけである。
投資について語ることは、もはや野暮とすらいえるだろう。
理屈じゃねえんだ…。
爆益の彼方を信じるか信じないか、それだけ。
ハルマゲドンが始まっている。
日本株を持つ者と持たざる者の天国と地獄。
巷では「男は強盗、女はパパ活上等」といわれるように、各所で此の世の地獄が顕現している。
そんななか、Invest in Kishida の神風に乗った我々には、ギャルに囲まれてワインとシャンパンをがぶ飲みする天国に到る細い道筋が、ハッキリと見えてきたのではないだろうか。
さて、6月も半ばということもあり、株主総会に向けての準備、配当の受け取り、プレミアム優待倶楽部の申し込みなど、忙しい日々である。
相変わらず、とんでもねえ日本株の爆上げが続いているが、日経平均10万円という目標から見れば、まだまだバブル相場の初動というべきだろう。
道にカネが落ちてるレベルで安い企業がゴロゴロしている。
こいつらがいずれ火を噴き、祭りが始まる。
だんじりが動き出す。
…
というわけで、GE坊やは主にヤンキーという「部族」が濃密に生息する地域の小企業に狙いを定め、買い増しを続けているのである。
北九州、姫路、尼崎、大阪、堺、etc...。
失われた30年で鬱積した地方のパワーが爆発し、長渕の歌声が全国に轟く時、覚醒したヤカラたちとともに、新たなる日本が立ち上がってくるだろう。