米国株式市場が爆上げしたことにより、日本全国が投資ブームに沸いていて、老若男女が株、株、株と発情し、親に金を無心して運用してみたり、あるいは小学生がテスラ株で大儲けするような時代である。
あるインフルエンサー曰く、「投資って簡単だねw」。まさに、「米国株投資で絶対に損をさせません」という狂気の言葉が現実のものとなった空前の大相場の真っただなかに、我々はいる。
Twitterなどを見れば、株が上がった資産が増えた、カネ、カネ、カネの大合唱。世も末の末、末法の世というほかない。
良く晴れた冬のある日、GE坊やは郊外の人影もまばらな駅に降り立った。
澄み渡った空、浮き雲、強烈な日差し。駅は小高い丘の上にあるらしく、街並みが遠くまで広がっているのが見える。何の変哲もない日常の光景。
日高屋に入って、玉子とキクラゲ炒め定食を注文する。
普段は麦飯と大根ばかり食っているから、久しぶりに食べた中華料理の濃い味付けに、思わず、「ああ、うまいなあ」と呻くような声が出てしまう。店員は少し驚いた様子を見せたが、他の客は見て見ぬふりをしている。
さらに、「BTIを持ってなかったら人生最高やったのになあ!」と大声で喚くと、店内が水を打ったように静まり返った。緊張感が走る。
食事を終え、勘定を済ませて店を出た瞬間、GE坊やの目に涙が溢れた。こちらを見ながら通り過ぎていく人々。犬が吠える。子供が指をさして笑っている。
ESG投資によるタバコ株の無限売り…。いつまで続くのであろうか。この地獄のような日々は。