スラム暮らし。近隣住民の3割に墨が入っている。あとはベトナムとネパールから来た労働者。行き場のない老人。
自転車で疾走する金髪のヤンママは総じて咥え煙草。
ニョクマムとカレーの濃厚な匂いが漂う路地を抜け格安スーパーに入ると、ケツにマグロのパックを詰め込む万引き老人を目撃する。
「自分よりええもん食ってるやないか…」
吐き捨てるように呟きながら安売りのサツマイモや、半ば腐ったような見切りの品をカゴに放り込む。
急激な円安や物価高によって、GE坊やの生活もいよいよキツくなってきた。
ワンカップを啜りながら事故物件を検索する日々。
つまみは賞味期限の切れた缶詰、まがい物の揚げ出し豆腐。
株を売ればこの暮らし、少しは楽になるのではないか…。
そう思うこともあるが、日経平均が10万円に向かう壮大なバブル相場の入り口で現金化することはできない。
GE坊やの見立てによれば、年末のドルは160円。
更なる物価高の進行により、庶民生活はますます苦しくなるはずだ。